大阪外語大出身のベルギー美女に案内してもらった在ベルリンオランダ大使館
2005年6月末。ベルリンにいました。
当時、これから始まるとあるプロジェクトのため、少し海外の建築を見てきなさいと。
最初は、構造技術者のツアーに参加するとのことで内容を見てみると、ウィーンとプラハの周遊。
ウーン。伝統的な建築か~。
僕が見たいのは現代建築なのだが。
上司に相談して、同じ予算でもう少し参考になるところにしてもいいですか?
何故か認められて、ヨーロッパ10日間の海外視察一人旅。
今回はその第一弾。在ベルリンオランダ大使館のお話。
当時の写真はもう残っていなくて、かき集めた写真を使うしかないのですが、詳しくは、設計者:OMAのウエブサイトで写真を見てみてください。
ちなみに、アイキャッチ画像はRodrigo Nappaさんのインスタグラムの画像をお借りしています。
OMAはオランダ人建築家レム・コールハースが主催するイギリスの設計事務所で、代表作には北京のCCTVテレビ局やシアトル州立図書館などが有ります。
建築関係の人でレム・コールハースを知らない人は少ないのではないかとは思いますが。
ネットで写真を見たとたん、この建物見たい!となり、当時は英語なんて全然できなかったのだけど、思い切ってベルリンのオランダ大使館に英語で「建物の中を見学させてください」って頼んでみた。
翌日。何故か日本語で返信が有って。良いですよという事で、中を日本語で案内していただきました。メールの主は大阪外語大学卒業のベルギー人、ヤスミンさん。オランダ大使館の職員でした。
そこで聞いてきたお話。
ベルリンの都市計画法では、敷地の四隅に建物を作って中庭を作らなければならないことになっているそうです(今は分かりませんが)。スパイラルの建物を計画していたコールハース氏はそれが受け入れられず、妥協案として大使館の隣に機械室棟をL形に作り、それで3つの角を埋めて、大使館本体では一つの角しか使わなかったという事です。
コールハース氏は、スパイラルになっている廊下が、あるところではガラスの廊下になったり、ベルリン市の中心部を流れるシュプレー川が見えたりして、最上階でベルリンのテレビ塔が小窓から見えるという演出に拘っていたとのことです。
写真でも印象的なガラスの廊下。竣工式で女王陛下が参加され、ガラスの床ではまずいという事で全面にレッドカーペットを敷き詰めたそうです。ガラスの廊下にカーペットを引いたのはこの時が唯一だったそうです(もう10年経っているのでまだあるかもしれませんね)。
そのほか、隠し扉なんかも開けてもらったりして、日本語を話すベルギー美女と楽しくためになる時間を過ごしました。
入場料もガイド料も無料だったので、申し訳なく思い、日本語欠乏症にもなりかけていたので、夕食にお誘いしました。
ヤスミンさんは、ベルギーのフランドル出身。フランダースの犬の舞台です。ベルギー人だけどその語学力を買われてオランダ大使館の仕事に就いたと言っていました。ベルリンの当時の実情だとかも教えてもらえました。
何事も挑戦してみなければ扉は開かれないという事を改めて思い起こす出来事でした。
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