羽田国際線ターミナル名称変更とA380生産終了
羽田空港国際線ターミナルが、来年から第3ターミナルへと名称変更する報道発表がされました。
これは、第2ターミナルの一部が国際線としても利用されるようになることから、国際線ターミナルが2か所になり、利用者が分かりずらくなることを防ぐためらしいです。
第2ターミナルビルの特徴は、国内線ターミナルで出発と到着が分離されていること。第1ターミナルや他の国内線のターミナルでは出発客と到着客がターミナル内部ですれ違ったりできますが、第2ターミナルはこれができない設計になっています。
なので、国際線としても利用できるということですね。
国際線の場合、他国で受けたセキュリティチェックは信用してないのです。なので、セキュリティチェックを受ける前の人はダーティ、その空港でチェックを受けた人はクリア、到着客のことをグレイとして、これらの人たちが接触しないようにする必要があります。
ところで数日前、総2階建ての航空機、エアバスA380が2021年をもって生産終了というニュースがありました。
実は私、航空機好きなのです。
これまで、羽田(国際線)、成田(1PTB南ウイング第4サテライト&第5サテライト、2PTBスイングゲート&バスラウンジ&75番ゲート)、神戸、徳島、那覇貨物といった空港の構造担当だったこともあるのですが、乗るのも好きなのです。
A380 はエンジンが4発付いていることもあり、騒音が激しく、羽田には乗り入れていません。
シンガポール航空のCEOが羽田に乗り入れたいと熱望しているとのことですが、環境問題や誘導路の問題で今すぐというわけにはいかないようです。
3年前、フランクフルト(マイン)空港に空港運用の視察に行きました。
アイキャッチ画像、フランクフルト空港駅の写真です。
ストリートビューで見ると、工事中で外壁を取り付けています。
ストリートビューはこちら
元に戻りましょう
まだ乗ったことはないA380 ですが、フランクフルトにはたくさんありました。
それがこちら

手前は懐かしきB747ですね。
その奥に並んでいるのがA380 です。
A380 は主翼の幅が80m弱有るので、通常のゲート配置では2機は並べられないはずです。
搭乗ゲートの間隔は75~80m、A380 は総2階建てなので、搭乗橋も前方用、中央用に加えて2階用の3つが必要になります。
おそらくこのスポット配置は90m位のように見えます。
大きな航空機を使うということはその分歩く距離も増えるということですね。


後ろから見たところですが、エプロン内を移動中に写真を撮りました。
尾翼もでかいし、ケータリング(機内食)も2階に直接積み込んでいますね。
搭乗橋も3つ必要でサイズも他の機種に比べて大きなA380 は、駐機する場所が限られるのです。
成田空港では、その場所を決めてそのゲートに2階用の搭乗橋を設置しています。
エミレーツやシンガポール、ルフトハンザなど、スターアライアンスの航空会社がA380 を多く所有しているので第1ターミナルの南ウイングに多くのA380 スポットが設置されています。
第1ターミナル、南ウイングの第4サテライトと第5サテライトは私が構造設計を担当したプロジェクトでした。
特に第5サテライトでは、高さ制限(管制塔からの視認を妨げないようにターミナルの設計、特に増築は高さ制限には気を使います)が厳しい中、アイコニックなトップライトの設計を行いました。


三日月形のトップライトですが、鋼管をキールにしてアバラの様にトップライトのサッシュ受けを配しています。
トップライト周囲を拘束することと、サッシュ受けを偏心ビルトHを横使いすることでトップライト内から水平ブレースを排除しました。
偏心ビルトHとは、H型鋼のウェブを中央ではなくて上側にずらした形状。π(パイ)とHの中間の形です。
偏心ビルトHを横使いすることの利点はもう一つ。
サッシュの無目を少し下がったウェブから支えることで、構造材であるサッシュ受けと無目との隙間が小さくなることです。
通常は構造材から無目が浮いてしまい、ダブルレイヤーとなってうるさくなるトップライトですが、このような工夫でシングルレイヤー、ブレースなしのトップライトに仕上がりました。
このディテールは、羽田空港国際線ターミナル(第3ターミナル)のトップライトでも使っています。


今回は、羽田発フランクフルト、成田を回ってまた羽田というお話でした。
私はまだ乗ったことがないA380 ですが、将来亀のペイントのANA-A380 が羽田に飛来することなどあるのでしょうかね。
その時はぜひ乗りたいと思います。
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