54歳で会社を辞める。
それをやった僕でさえ、普通そんなことしないよなぁ、と思う。
じゃあ、何で？と、これからも聞かれていくんだろうから、ここで一回整理してみる。

一言で言うと、自分が古くなって行くのが嫌だったから。
設計している建物が出来るのは、大体3年くらいは時間がかかる。だから、今やっていることは、3年後に評価されると思って仕事してきた。ほぼ仕事しかしていない人生だった。
それが、今までやってきたものが、ほぼみんな出来上がって、これからいろんな事をしまう役割になって、しまいきれない自分の未来だけ、行き所が無くなってしまった。

まだ、未来を見つめていたい。落ち着きたくないって。
そんな時、もう、死を覚悟していたSteve Jobs がStanford大学で、卒業生に送った言葉”Stay hungry. Stay foolish. And, don’t settle.　飢えていることだ、愚か者でいることだ、落ち着いてはいけない。”を思い出して。
ばかげたことだけど、えいやって。その時、何が起こっても、絶対に後悔だけはしないと決めた。決断しなければいけないことがたくさんあるだろうけど、絶対に後悔しないこと。今のところしていない。

辞めたは良いけど、何しようか？他のところに就職しても同じ思いするだけだし。
じゃあ、自分でやるか。最悪の場合のシミュレーションは有る。何とかなるか。

馬鹿な話だけど、中華街に行って占い師に診てもらった。
何も言っていないのに、「あなたの人生、これから信じられないくらいすごく変わりますよ。それは、良いほうに行く」と言われた。
実は、会社を辞めようと思っていて…などと話すと、あまり覚えていないけど、3年後はどうだとか、10年後はどうだとか、余りひどいことは言われなかった気がする。
方向は北東が良い。遠いほうが良い。始めるのは11月中旬以降が良い等と。
僕は横浜でやろうと思っていたから、横浜は家から南西、真逆じゃん。会社辞めたら、すぐにでも会社始めようと思ってたから、えー、一か月も待たないといけないのー。
一応信じて、北東の港北ニュータウンあたりでも見てみようか、近いけど。
事務所出来る物件が少ないし、有っても狭いか高いか。
不動産屋さんに、良い物件が出たら連絡くださいって頼んでも、何の連絡もなし。

うーん。設計事務所やるのに、やっぱり横浜だと地元密着になるなぁ。冷静に考えたら、東京でやるべきか。
東京でも、大田区や世田谷区は住宅地だから、外側から2番目、山手線の少し外側で始めようかな。
とりあえず、目黒区役所の中小企業支援コーナーみたいなところに相談に行った。
目黒区主催の創業セミナーが有って、明日から募集を開始しますから、それに参加してはどうですか？参加すると登録免許税が半額になったり、いろいろな補助金に応募することもできるようになりますよって。

そのセミナーに応募したら、参加番号が1番だった。セミナー初日にそれを教えてくれた人が、1番ですね、と声をかけてくれた。

事務所物件も色々見て回って、メゾネットになっていて、下を事務所、上階を住居にできそうな物件があって、良いけど、雰囲気が悪いんだよな～、と思っているうちに先を越された。あーこれで、会社辞めてすぐ始めることが出来なくなった。

次に見つけたのが、不動産屋さんに行ってその日出た物件。担当の人はスルーしたのだけど、僕は、これ良いよ。これにしよう。
でも、この物件、まだ契約中で、入居は12月になりますよ。

当たってる！

方角もジャスト北東！

そのあと、税理士さんを税理士紹介サイトに探してもらって、3人と会ったのだけど、どうも誰もピンとこない。
聞いたことには答えてくれるけど、アドバイスがない。
ひどい奴は、赤字の会社は税金とられませんから大丈夫です。だって。
会社の登記の準備もしないといけないし、定款もそろそろ準備せねば。と思いひな形を見てみると、金やら財産やら書かないとならない。
行政書士の資格持ってる、出来れば中小企業診断士の資格もある、親切丁寧な税理士さんを見つけよう！税理士紹介サイトではだめだ。

いるかな？いないだろうな～。

いたー。

電話してみる。携帯だけど大丈夫かな？出た！

電話でいろいろ、一時間くらい話して、今日会いませんか？ってなって。
待ち合わせして、無料相談2時間半。
色々な事教えてもらって、大学も学部も後輩らしくて。
運命の出会いに思えた。

今日、物件契約です。
中華街の占い師が当たってるとか、そういうことではなくて、運命に従って自分の人生をリセットしようとしているとしか思えない。
そういう日々を過ごしてます。

一度しかない人生だから、好きなように生きようと決めました。
そう決めた時、自分の周りも後押ししてくれるのだと感謝しています。

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