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梓設計在籍時の作品から

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東京国際空港国際線ターミナル

私のキャリアの中で一番の代表作と言えるのがこのプロジェクトになると思います。
このプロジェクトとは、PFIの技術提案から始まり、1期工事の基本設計、実施設計、監理業務の初期まで構造チームのリーダーとして関わらせていただきました。

この建物は、新建築の表紙にもなった枝状柱が印象的なものとなっていますが、プロジェクトのスタート段階では、枝状ではなく、真直ぐに伸びた柱で屋根を支える形状となっていました。
その模型を始めて見た時、これを実現する事は極めて難しいと思いました。実現が難しい理由を構造屋独特の専門用語を重ねた、意味難解の言葉で示すよりも、体感で示したほうが早いと思い(実はイチカバチでは有ったのですが)、模型を揺らしてみました。
私はドヤ顔で、この形状だとこれだけ揺れますよね。このままでは構造的に問題が有るので何かしないといけないですね。ギャンブルは成功しました。
建築意匠の担当の方は、どうしたら良いですかねぇ。とその対応に興味を持ってくれました。

幾つか対応策を示して、その中でオーソドックスでは有るけれども、枝状柱にして、その延長線上にトップライト架構を付けよう。枝状柱の伸びた先がトップライトの頂点に合うようにすれば安定も取れるのではないか、という方向性が固まりました。
後日、僕は構造のスケッチを、意匠担当の方は修正した模型を持ち寄りました。
全然揺れませんよ。これで行きましょう。
意匠担当の方は少し興奮しているように思えました。

クライアントである、東京国際空港ターミル株式会社のロゴマーク。
免税店の袋などで見た方も多いと思います。

出展:東京国際空港ターミルHP

このロゴマークを見た時、全てが報われた気がしました。
構造的な合理性を建築デザインと融和する。
その事を諦めないで追求した時、建物に印象を与え、更には、ブランド構築にも寄与できる。
私の目指していた物が一つの形になったと思えた瞬間でした。

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梓設計・ペリ クラーク ペリ アーキテクツ・安井建築設計事務所 共同企業体

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国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰(2011)
日本建築学会作品選集(2012)
省エネ照明デザインアワード(2011)
照明デザイン賞(2011)
北米照明学会賞(2012)
電気設備学会賞(2012)

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新建築別冊 東京国際空港国際線ターミナル
新建築 2010年11月号
JA80WINTER2010 建築年鑑2010